top  前頁                               14 おわりに
 遍路は金剛杖を常に携えて歩きます。杖には「同行二人」と書かれていますが、これは弘法大師と二人で歩いているという事を表わしているそうです。
 そのため、信仰心厚い方は遍路を見て弘法大師が歩いていると見られるようで、実際に私たちも通りすがりの人に合掌されたことがありました。
2周目スタート
24.2.20
快晴なれど非常に
寒い朝
梅がほころび始め
ていました
 「歩ける幸せ」と遍路はよく口にします。歩くためには「体、金、時」の三つが揃う贅沢な環境が必要です。
せも、遍路を成就するには、この三つだけでは足りません。精神力も必要です。疲れてボーとしながら歩いている時に出会ったお接待、思わず気が引き締まりました。何度も書きますがほんとに嬉しく元気が出ました。改めてお礼申し上げます。
 また、私たちの遍路結願には、久子の頑張りがありました。弱点と指摘された「ひらめ筋」は十分鍛えたつもりでしたが、二周目も足を痛めてしまいました。それでも最後まで頑張りとおしました。お陰で私も結願する事ができました。
 2度の遍路を通じて感じた事、肝に銘じた事が二つあります。
1 『足るをしる』:横峰寺をお参りした時、残念ながら石鎚山が雲に隠れていました。その事をお坊さんに言うとお坊さんは「足るをしる」と言われました。
2 『人のふり見て我がふりなおせ』:歩いていて他人の行動が目に付くことがよくあります。そんな時、以前の私なら直ぐに腹を立てたり怒ったりしていましたが、今はうんと少なくなったように思います。
2周目結願 24.4.7  88番札所大窪寺にて
 余録
  8.4Kg(途中から11.5Kg)の荷を背負い1200Kmを50日かけて歩き通しました。その結果、体重は57.5Kgから53Kgに下がりベルトの 穴が2個も多くなりました。そして、お腹の皮が皺だらけになり、手首に指を回すと今まで丁度一杯だったのが1cmほど余るようになりました。血圧も140 -74から122-80に下がりました。
数値は控えますが、久子も全く同じ現象です。以前から血圧で病院通いをしていますが、先生は「余計な所に血を送る必要がなくなったから」と言いながら薬を半分に減らしたそうです。
24.4.8
88番大窪寺から
1番霊仙寺へお礼参りの途上